身近な人が亡くなったことによって財産を相続する場合または遺贈された場合に課せられる税金のことを相続税といいます。ここでは相続税申告の場面で知っておきたい5つのポイントをご説明いたします。まずは相続について確認していきましょう。
相続人について
民法では、財産を相続する人が定められており、これを法定相続人といいます。法定相続人の範囲は、被相続人の配偶者、直系卑属(子、孫など)、直系尊属(両親、祖父母)、兄弟姉妹とその子になります。遺言書で相続財産の受遺者が定められていてもこの範囲は変わりません。
この法定相続人は下記のように順位が定められています。
- 常に相続人:配偶者
- 第一順位:直系卑属(子、孫など)
- 第二順位:直系尊属(両親、祖父母)
- 第三順位:兄弟姉妹
配偶者以外の相続人は、上位に該当する相続人がいる場合下位の人は相続人ではありません。また、第一順位の子と、第三順位の兄弟姉妹では、相続権を失っている場合、その子や孫に相続権が移行する場合があります。これを代襲相続といいます。
基礎控除について
相続税の基礎控除についてご説明いたします。被相続人の財産の合計額が基礎控除額を超える場合にその超過部分について課せられる税金が相続税です。被相続人の財産が基礎控除内の範囲であれば相続税の申告は不要です。
相続税の基礎控除は下記の計算式で求めることができます。
基礎控除額の式
3,000万円+600万円×法定相続人の数
- 相続人の中に相続放棄をした人がいる場合「法定相続人の数」に含めて計算します。
- 養子の場合、「法定相続人の数」に含めることができる人数に限りがあり、被相続人に実子がいる場合は養子は1人まで、実子がいない場合は2人まで追加することができます。
また、各種特例や控除を適用することにより、最終的に課税価格の合計が基礎控除額以下になる場合もあります。この場合、特例や控除を適用することで基礎控除額を下回った旨を申告しなければなりません。
相続財産とみなし相続財産
相続では、被相続人が所有していた預貯金や不動産などの財産や、一切の権利義務は相続財産として扱われ、遺産分割の対象になります。
しかし、相続税法上の課税対象となるものは、相続や遺贈によって取得する財産に限らず、金銭に見積もることのできる経済的価値のあるものすべてが含まれます。これをみなし相続財産といいます。
みなし相続財産として例をあげると、生命保険金や死亡退職金などです。そのほか、相続税の非課税枠が設けられている財産もあります。まずは相続税の課税対象となる財産について、確認するようにしましょう。
相続税申告の期限について
相続税申告・納付には下記の期限が設けられています。
- 相続開始日の翌日から10ヶ月
相続税の基礎控除額を超える場合、相続人は上記の期限までに相続人調査や相続財産調査を終え、相続人全員による遺産分割協議を終わらせ、納税額を計算した上で被相続人の最後の住所地を管轄する税務署へ相続税の申告・納付をしなければなりません。
期限を過ぎてしまった場合、ペナルティとして追徴課税が課せられてしまう場合がありますので期限内に済ませるようにしましょう。
相続が発生し、相続税申告が必要になる場合は期限を意識して相続手続きを進めるようにしましょう。
相続税対策で生前の対策を
相続税は累進課税制度ですので、相続財産が多ければ多いほど課せられる税率が高くなります。下記よりご確認ください。
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | - |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
相続税率は最大55%となっており、生前から相続税対策をすることを考えたほうがよいでしょう。
生前にできる相続税対策の手段は様々ですが、それぞれのメリットデメリットを理解した上でご自身の状況に合った方法を選択する必要があります。
相続は初めての方も多く、不慣れなまま進めることに不安を抱いている方も少なくありません。特に相続税申告が必要になる相続の場合、期限を意識しながら手続きを終わらせる必要があります。また、相続税の申告では計算する人によって最終的な算出額が異なるケースもあります。相続税申告は非常に複雑な手続きとなりますので、まずは専門家にご相談されることをおすすめいたします。
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